日没

ニチボツ

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たまたま迷い込んだ街は

牢獄だった。

わたしが出会った人は

看守だった。

しおり






初めに
立夏の候
色のない若葉
惜春の風
咲かない牡丹
泳がない鯉のぼり

死んだ世界

青嵐に殺される
道端の露草
朝霧を纏った悪夢

蘇るメーデー

すがりついた水無月
振り返れば皐月

時間を止めた初夏
奈落に訪れた梅雨

蜉蝣の無念
込み上げた陽氷は傷跡
その一言がもたらす酷暑

氾濫する天の川
菊がささやいた泣き言

親月を生きる理由
前方に見える残炎
追い抜いていく向秋
それでも終わりは見えない
白露の涙は拭わずに
過去に忘れた秋桜

仕組まれた彼岸

秋風に流した荻花
紫苑の便りを忘れないで
カトレアの秘め事


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