発達障害ってなに?

「発達障害」という言葉そのものが、良く分からない方も多いと思います。
上手く説明できるかわかんないですが、簡単な解説的なものを、書いてみます。参考程度にご覧下さい。

《「発達障害者」って、どんなイメージ?》

一言でいうとユニーク。

「黙って立ってると普通なのに、動いたり、しゃべったりすると、何だか凄く、「変わってる」人」
です。

体の動かし方が、微妙にギクシャクしていたり、無意味な特定の動作を、ずっと繰り返したり、体のどこかが、ずっと動き続けていたり、目つきや視線の動かし方が変わってたり、

声の出し方、話し方、言葉の選び方が独特だったり、難しいことは言うのに、簡単な人の話が飲み込めず、勘違いが多かったり

学生だと、特定の勉強(読む、書く、計算する、など)だけが、極度に出来ない、などの症状が出る場合もあります。

定型発達の人の「個性」は、年齢相応の平均的な、「特徴の範囲」に収まりますが、
そういう「普通」から、大きく外れて見える特徴があります。

《何が原因で発達障害は起きるの》

体の発育や運動能力には、異常がないことが殆どです。小説モデルのお子さん達は、乳児期は全員「やや早め」で育っています。

「症状」は沢山目に付くのに、「原因」が、パッと見て判るものではないため、以前は親の躾や家庭環境、ひどい場合は「血統が悪い」などの誤解や差別がありました。

20世紀も終わり近くになって、次第に検査方法が進歩して、今は

「生まれつきの、脳の機能が人と少しだけ、違っている」

ということが判っています。

このため、赤ちゃん〜大人までの成長過程の内、主に「気持ち」「知恵」「人との関わり方」が、大多数の人と違ってしまい、一般的な得手不得手レベルを超越した、「極端な得意」と「極端な苦手」を同時に抱えて成長していきます。

殆ど「天才」「大人」に見える面と、「バカ?」「ガキ?」(ごめん…)が、一人の人間の中に同時に現れます。

障害特有の色んな症状が出生直後から始まり、独特の「育てにくさ」が、大きくなるにつれて、次々に出現します。

それが原因で、親子関係がこじれてしまう危険もあります。

発達障害そのものは、親の育て方には無関係です。
また、国や人種に関係なく、一定比率で、発達障害児は出生している、とも言われています。

詳しいことは、まだまだ研究途上の障害で、分からないことも多いです。

《どんなことに困っているの?》

目で見て即、判る障害ではなく、本人にも原因が自覚できないから、「何か違う」と思いながら、気づかれず、誤解されやすい、
イジメや、不適切な対応を続けられて、鬱などの二次障害へ進んでしまう危険を持っています。

違い方や度合いは、人によって色々で、その「違い方」で、発達障害の中でも色んな種類に分かれます。

なので、障害の名前(診断名)よりも、一人一人の特徴(障害特性)に合わせた、個別の対応が必要になります。
これは、今までの日本の社会システム、国民性(=みんな一緒)では、余り良いとされなかったことなので、今の日本の中で発達障害者が生活することは、正直、しんどいことが多いです。

対応の具体例は、例として小説本編にも多数紹介しました。

現実的には、なかなか、効果のある対応まで進めず、誤解と困難で辛い日々を送っている発達障害児(者)は多いと思います。

本人も家族も努力していて、それも必要なのですが、

「社会の中で現れる障害」

なので、家族以外のサポートが有るか無いか、で、障害者本人の「生き難さ」が、大きく変わってきます。

《それっぽい人、近くにいるんだけど…》

気にかけてくれて、ありがとう。

けど、素人診断は、危険です。

言われたら、ほとんど確実に、相手は怒ると思います(苦笑)

「発達障害者である」診断は、基本的には医師、臨床心理士が、生まれてから現在までの聞き取り調査や、本人との面談、知能検査(必要に応じて、脳画像などを撮る場合もあります)などを行って、始めて診断されるものです。

発達障害は、診断が難しく、その基準も世界的に、まだ流動的な一面があります。
複数の、違う種類の発達障害が重なっている人も多いため、専門家の医師でも診断に悩む場合も多いです。

「困難を抱えている本人」(未成年ならば、「本人と保護者」)が、必要を感じて、「支援して欲しい」と言わない場合、不用意に、「発達障害があるんじゃないの?」とは言えないのが、今の日本の現状です。
相談されない限りは、言わないでおきましょうね。

ただ…

どんな障害も、発見が早いほど、サポートが低年齢で始まるほど、大人になってからの困難は小さくなります。

ところが、今の日本の場合、診断機関に至るまでの道のりが、半端ない大変さ、なので、

「サポートをうけるべき人が、何もして貰えないまま、孤独に困難と闘っている」

ケースが多いことも、事実なんです。

そのことは、知っておいて下さい。

《気になるから相談したいんだけど、どこに行けば?》

公的窓口として

発達障害者支援センター児童相談所
精神保健センター

などが、都道府県ごとに、最低一カ所は設置されています。
まずは電話での相談をしてみて下さい。

何でもなければ、気がかりが無くなるし

もし、支援が必要であるならば、何かのアドバイスにつながると思います。

一人で抱えようと思わないで、まず、相談してみることをお勧めします。

また、市町村の保健所なども相談を受け付けてくれます。

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