ハーモニー
[#2 感染](1/3)
【VWS-1807050007】これが私に与えられていたシリアルナンバーだった。

私は性玩具として製作された女性型アンドロイドであり、性的な行為に関連する機能は他のタイプのアンドロイドに比べて洗礼されていた。

そして私達のようなタイプのアンドロイドは風俗店で利用されるか、個人のラブドールとして利用されるかのどちらかだった。

私は後者だった。私を買ったのは須藤 真多(すどう しんた)。42才の独身男性でメタボ気味だ。

私が初めて須藤の家で起動された時、彼の元には既にシリアルナンバー【JMP-2009150725】のアンドロイドが居た。彼には名前がなく須藤からは、「おい」や「お前」と呼ばれていた。

須藤はそのアンドロイドを土木作業員として働かせて、その給与で暮らしていた。勿論私を買った金も、彼が所有するアンドロイドの給与から出た物だ。

須藤は先に買ったアンドロイドには名前を付けなかったが、私には「ミユキ」という名前を与えた。須藤が言うには、高校時代好きだった人間の名前だそうだ。

須藤は私と夜を共にするにつれて、心を開くかのように私を買った経緯について語り始めた。

須藤は高校時代に好きだった人間のことを忘れられず、20代の頃からの貯蓄を全額使い特注で私を作ったとそうだ。

私を注文する際の参考資料が卒業写真しかなかったので、私のモデル年齢は18歳となっている。音声データもなかった為、いくつかのサンプルから須藤が好みの物を選んだそうだ。

その他にもスリーサイズから膣に至るまで、須藤の好みのパーツで構成されたのが私だ。



- 9 -

前n[*][#]次n
/15 n

⇒しおり挿入


[編集]

[←戻る]