浅葱色
[小さな武士](1/41)
殴られ、蹴られる。
終わった時には、
僕は、フラフラだった……
胴着で隠れる場所ばかり
「……痛っ!…」
アザだらけの体
どうして、僕が…
なんで?
僕、悪い事してないのに…
助けて……
誰か…
頬を伝う涙
誰も助けてなんてくれない
誰も、僕なんて見ない。
僕なんて
生きてる事さえ、
罪なんだ……
「……宗次郎?」
その声に、
僕は、着物を急いで着なおした。
スッと開いた襖
襖を開いたのは
近藤勝太…
近藤周助、道場主の
養子…
この人だって、
僕が、イジメられてるって知ったら
道場から追い出すに決まってる。
バレないようにしないと…
宗次郎は、
痛む腕をぎゅっと握りしめた。
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