悠久〜version2

★[ハセリア王国](1/10)
途中、クリックと別れたライラ達は隣国『ハセリア王国』に入った。


ハセリア王国……王国と呼ばれているが王は国を省みず、潰れるのは時間の問題と言われている国。
王が国を省みないおかげで関所や国境に警備兵がいないから、この国を選んだ。


アンドレはこの国を知っているのか不安そうな顔をしたが、ライラの強行突破状態だった。
馬の手綱を持つライラのが移動の主導権を握っており、アンドレは不機嫌だった。



「アンドレ機嫌直せよ……」



「こんな危険な僕は国は嫌だね」



「俺だってこんなパナイから逃げた奴が行きそうとすぐわかる国は嫌だって。事情あるんだよ」



「事情?」



アンドレは不思議そうにライラを見上げた。



「お前は……大統領の息子で俺は隠された存在……これが他国にバレたら色々やばいだろ。とくにお前なんか『アーガイル』という姓を名乗れば誰もがドライ共和国の大統領の息子だとばれる。ばれたら旅なんかできない。わかるだろ?」



「う……うん」



「だから、偽の通行書が必要……簡単に依頼なんかできないが、悪政の国には生活苦から逃げたくて偽の通行書を求める人も多く、それを生業に生きる人も多い……わかった?」



ライラの説明にアンドレはライラを見た。

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