底辺処理学校
[策謀](1/15)
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(うーん、やっぱり知識だけでは体は動かないな……)
D組対K組の男子バスケットボールの試合、実智也は出場選手としてコートに立っていた。
しばらく球技をしなかったので、もしかしたら知らないうちに多少上手く動けるようになっているかもしれない、という塵程の期待があったが、どうやらそんなことはないようだ。
玉石混淆なチーム故に目立って下手というわけではないが、役に立っていないのも事実だった。
あまり長くプレーしていてチームメイトから反感を買うのも嫌なので、実智也は適当なところでベンチメンバーと交代する。
(走る、跳ぶならまだしも、やっぱり球技はダメだなぁ。入門書を読んだり、観戦したりしてどう動けばいいのかは理解できるけど、体がそれについてこない……)
昔から持っていた考えを改めて再認識しながら、今後についての思考を巡らせる。
(緒戦のうちはともかく、もし勝ち上がった時、俺がお荷物になるのは間違いない。出場は控える方が無難だろう……が)
実智也は、一抹の不安を拭えないでいた。
同じ種目で、セカイが出場しているという事実に、言いようのない危機感を抱いたからだ。
自分を処理したいほど憎んでいる、しかも一級品の頭脳の持ち主が、こんな異例の状況に機をうかがおうとしないはずがない。
そう考えていた。
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