底辺処理学校
 
[初陣](1/12)

 

どこからか雀の鳴き声がする。

そのさえずりを聞きながら、未来はゆっくりと目を開けた。

時計をみると六時半、普段より三十分以上早い起床で、早朝に相応しい綺麗な朝日が、カーテンの隙間から差し込んでいる。

それを見ている未来は、昨晩の漢字の勉強漬けのせいで多少の頭痛におそわれていたが。

(慣れないことはするもんじゃないわね…)

心の中でそんなことを呟きながらも、教材に手を伸ばす。

シンジツ曰く、朝起きてすぐに見直しをすることで、より忘れにくくなるらしい。

(しかし、凄いわ。まさか私がここまで覚えられるとは…)

未来の脳内には、昨日の内容がかなり鮮明に残っていた。

おかげで、昨日までの不安はだいぶ小さな物となっていた。

(何が何でも生き残らなくちゃ!)

そんな決意を胸に、未来は見直しを始めた。

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