☆[19 黒髪禁止の☆真相☆](1/31)
久々の登校。
でも、ちゃんと朝早く起きられなくて、
授業が一つ終わってからの遅刻だった。
そして、更にその次の授業も始まって少し経っている。
授業中の廊下は生徒なんか歩いているわけなくて、
しんと静かな中に私の足音だけが響く。
だけど……。
「あれ? 遅刻? 最近見かけなかったけど、休んでた?」
階段を上がろうとしたところで、薫くんに会ってしまった。
なんで……? 授業中なのになんで薫くんはいるの?
「なに? 逃げないでよ。僕が訊いてるのに」
逃げようとしたのに、手首をつかまれて引き寄せられた。
反動で薫くんの胸の中に飛び込む形になる。
身長は大体同じくらいだから、
そんな体勢だと唇同士が触れ合いそうに……。
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