☆[16 もしかして☆最後☆のデート!? ](1/24)
「こんにちは。石動花音さんだよね」
茶色の髪、制服の上からでもわかる抜群のスタイル。
伏し目がちな瞳、長い睫毛……。
形の良い鼻、形の良い唇……。
こんな綺麗な人、テレビの中くらいにしかいないものだと思っていた。
「はい……。そうですけど……」
こんな美人が私に何の用だろう?
考えられるとすれば、隆史さんの関係なんだろうけど……。
私……ばれてない……よね?
隆史さんの彼女だってこと、ばれてないよね……?
「あまり他人に聞かれても困る話だろうし、場所を変えない?
あたし、良いところ知ってるからさ」
ふんわりと微笑むその綺麗な人は、
控えめながらも断りにくい雰囲気を醸し出していた。
私は彼女が導くままに従った。
彼女はまるで旧約聖書のモーゼのように、人ごみを割って道を作った。
その作られた道を通って、私はただただ彼女のあとを追った。
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