☆[14 思いがけない☆再会☆](1/30)
コミケ二日目の土曜日。
補習があった私は、コミケ初日の金曜日には遊びになんて行けるはずもなかった。
だから、隆史さんにも、姫歌にもそう伝えてからの今日。
今は会場に向かう列車の中なんだけど……。
なんなのこの満員電車。正直予想以上だ。
『あの……今日はあんまり近くに寄らないでください』
『は? なんで?』
『言いにくいんですけど……生理なんです。だから、嫌な臭いすると思うし』
『そうなの? ふーん。わかった』
隆史さんと待ち合わせて会ってすぐにした会話がそれ。
なのに……。
「ち、近いです、隆史さん……」
「そんなこと言ったって、この満員じゃ仕方ないよ」
「で、でも……」
「大丈夫だよ。変な臭いなんてしないしない。花の香りしかわかんないよ」
自分の体臭が気になって、少しコロンをつけてきたけど……。
その香りしか伝わってないなら……ありがたいんだけど……。
「臭いなんかより、かのんに近づけないことの方がつらいよ」
そう言ってくれる隆史さんは本当に優しいと思うけど……。
やっぱり女子としては、臭いは気になってしまうのだ。
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