蒼き瞳〜総集編〜
[★Section.14 更なる敵!謎の死神族](1/48)




-華夜side-




朱雀族と友好関係を結んでから1年の歳月が流れた
朱雀族とは相変わらずな関係が続いている



私と湫夏はお互い王ということもありすっかり意気投合し、今では互いの一族の振興を良くするために日々意見を出しあったりしている


朱慧は相変わらず湫夏の苦労なんて知らず、あちこち飛び回ってるようで…時々突然姿を現しては柚綺と勝負をしていた


緋彩は定期的にここに来ては杏にアピールをしている。だけど冬夜が居るから結局最後には喧嘩になっちゃうのよね
まぁ何だかんだで楽しそうだし、もう見慣れた光景よね



深木と光々那は4歳になり術について学び始めた所
どうやら深木は私の霊力の方を大きく継いでいて、光々那は柚綺の魔力の方が強いみたい

でもまだまだ小さな力だからこれからに期待ね


そして妖魔の動きも沈静化しつつあり、比較的に穏やかな日々が過ぎていた
この暖かい日々が私にはとても幸せな時間だった




華夜「ふぅ…こんな感じでいいかしら」




エマ「先程から何を書かれておられるのですか?」




華夜「エマ、リュークを覚えてる?」




エマ「あぁ、覚えてます。姫様を連れ去った生き残りの吸血鬼。あの時は息の根を止めてやろうと思いました」




華夜「そう言わないの。実はリュークから最近手紙が届いてね。無事に一族を復興することが出来たみたいなの。」




エマ「そうなんですか?喜ばしい事ですね」




華夜「ええ。でも何だか遠い想い出のようだわ。時の流れは早いものね」




エマ「一段落したのでしたら暖かい紅茶でもいかがですか?冬夜様達がハツの花を沢山取ってきてくれたのですよ」




華夜「そうなの?じゃぁ頂こうかしら」




エマ「すぐにご用意致します」




エマがお茶の準備をしている間私は窓の外を眺めながら息をついた


この数十年に色んな事が起こったものね…
夜光を殺され柚綺と戦い、冬夜が産まれ、リノンと戦う事になって沙柚や深木、光々那が産まれて…種族が違えど手を組み仲間として共に暮らせるようになって…今、この世界が出来たのは私だけの力じゃない…信じる仲間が居たから今の私が居るんだ…
キラキラと眩しいくらいの輝かしい世界が私は大好きだった




光々那・深木「母様ぁ!」



ドアを開けて飛び込んできたのは私の子ども達。飛び付いた2人を私はギュッと抱き締めた




華夜「お帰り深木、光々那。今日の修行はどうだった?」



光々那「疲れた!」



深木「父様全然手加減してくれないんだよ!」



柚綺「何言ってる。俺達の子ならあれくらいの事出来なきゃ一人前にはなれないぞ」




遅れながら部屋に入ってきたのは私の最愛の人…




華夜「お帰りなさい柚綺。あんまり厳しくにならないようにね」




柚綺「あぁ。」




華夜「でも丁度良かった!これからお茶にするところなのよ。一息つきましょ?」




エマ「姫様、お茶が入りました。皆様もお帰りなさいませ」




華夜「さすがエマね!皆の分もちゃんと用意してくれたのね。ありがとう!」




エマ「当然の事です」




華夜「さぁ、お茶にしましょ!」




ここ最近は妖魔達もほとんど動きを見せず穏やかに過ごす日々が続いていた
でもいつ何が起こるかなんて誰にも分からない
油断はしないようにしなくちゃね…




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