それはステキな恋の魔法
[すっげぇムカつく](1/14)
「生4つと、カシスオレンジおひとつでよろしかったですか〜?」


そんな威勢の良い店員さんの声が響く。

「姫乃ちゃんも生じゃなくてよかった〜?」
「は、はい!私、お酒はあまり得意じゃなくて

「え〜イメージ通り!可愛い〜♪」
「いや、それにしても田辺に彼女がいるなんて言うから、うちらみんな疑ってたわけよ」
「な。こいつ顔だけは良いけど、中身アホだから」
「や、ちょっと待てぇ!俺に失礼だろ!」

田辺の大学時代の友人飲み会・・・
に、なぜか自分までもが参加している。


ーーか怪奇現象・・・



遡ること今日のお昼。

ユキと東テラスでお弁当を食べながら、例の話で喪にふしていた最中

突然に田辺が現れ、姫乃に頼みがあると言うのだ。

その内容は

今夜の大学時代の友人との飲み会の席で、彼女のふりをしてほしい!というもの。


即答でお断りするヤツ。


のはずが・・・


「あ、いいですよぉ?ちょうどヒマなので♪」


隣から、耳を疑うほどに軽快な

それはそれは「ねぇ、そこのお醤油取ってー」
「いいですよぉ♪」的なノリで

ユキによって即答されてしまったのだ。


『もしも私がフォローしきれずにうちをクビになっちゃったら、また働き口を見つけなきゃならないのよ!?ここは永久就職って線も考えといた方がいいって!田辺さん、若干チャラい感じはあるけど、顔はいいし優しいし、なくはないと思うの!姫乃はもっと積極的に、前向きに、行くべきだと思うよ!』


と、鬼の勢いで説得されてしまった。

本当に

勢いだけで… …


ーー・・・こ、断りきれなかったぁ〜… …




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