朧の月夜物語
[妖と人](1/10)
朧。

昔々。
朧の月夜に一つの物の怪が
静かな竹林で産声をあげた。

人の形をしたそれの名を
______朧という。


一晩で泣くのを止め
三晩の夜更には立ち上がった。
五晩の夜で言葉を覚え
七晩の月夜の下で詩を唄った。

それは、竹林のふもとで見た
人間の少年の姿を真似て
布を羽織り大層喜んだ。

金色の瞳を光らせたそれを
いつしか、人は鬼の子と


恐れては___
無垢な朧を傷付けた。




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