きらきら(2/4)
自分の想いに気付いても、誰にも言えなかった。
部活のメンバーとはバカなことして騒いでることが多かったからか、真剣な話ましてや恋愛の話なんてなかなかできなかった。
膨らんでいく想い。
なにも知らないのに。
そんな心との葛藤の日々。
ある日。
たまたま開いたままになっていた新聞をみるとそこには"○×高校 テニス部"の文字があった。
写真の中の市原くんはあのときと同じ笑顔だった。
記事を読んでいくと市原くんの言葉があった。
「"全国大会出場目指して"…か。」
気が付くと涙が溢れていた。
そして何かを思いついたように走り出していた。
全力で。全力で走った。
苦しくなって立ち止まると、涙は乾いていた。
どんなに全力で走っても追いつけない。
どんなにもがいても届かない。
「ははは。なにやってんだ。…帰ろ。」
悲しい笑い声がむなしく響く。
我にかえり、走ってきた道をまた戻った。
家に着いてからは部屋にこもって、声を殺して泣いた。
気付いてしまった。
ずっと気付いていたのかもしれない。
淡い恋心に隠してしまっていた。
あたしがすきになったりしていい人じゃ、なかった。
あたしなんかが。
全国大会常連の市原くんと
県大会止まりのあたし。
どう頑張っても合うわけがない。
次の日、部活には行ったものの泣きはらして腫れたあたしの目をみて心配しない人はいなかった。
「大丈夫。」と言うあたしがみんなの目にどんな風に映っていたかは分からない。
でも深くは聞いてこない優しさを感じて、泣けてきた。
「『お疲れ様でしたぁー』」
部活が終わり、帰る準備をしていると
『今日時間ある?』というメールが来ていた。
一番の親友の、志保からだった。
志保とは高校が違うから久々だった。
「あるよ!」と返信するとすぐに
『じゃあいつものところで!』と返信が来た。
いつもと同じ場所でいつもと同じ時間に集合して、暗くなるまで話したりどこかに出かけたりするのがいつものパターンだ。
いつもと同じような服を着て、向かった。
5分前に着くと、いつもの後ろ姿があった。
久々の再会に自然と笑顔が溢れた。
「今日はどーする?」
『海行かない?』
海は2人のお気に入りだった。
海に着くと志保の笑顔が消えて、真剣な顔であたしを覗いた。
「ど、どーした?」
笑いながら言うと、
『なんかあったでしょ?』
全てお見通しといった真剣な眼差しに嘘はつけなかった。
何も言えず下を向くと、
『あたしも言いたいことあるんだけど、澪の話聞かなきゃあたし言えない。』
なんて言われてしまった。
あたしは聞かれたら答えるけど、自分から何かを話すことはほとんどない。
それを知ってる志保だから、こう言ってくれてるんだろう。
それからあたしはゆっくり今までのことを話した。
聞き終わった志保の第一声は
『澪、ほんとバカだね。』だった。
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