3day(1/6)
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ユタがわたしの体を揺すって、その揺れでふと目が覚めたわたしは、ゆっくりと起き上がり一つあくびをした。
眠たげな動作とは裏腹にぱっちりと開いた目でユタを見て、ふっと笑みを浮かべる。
「おはよう、ユタ」
「ん、おはよ、マリー」
昨日よりもおっとりとした笑みを浮かべたユタの服は、もうすでに寝るときの浴衣から変わっていた。
寝るときは、旅館の部屋に用意されていた浴衣を着たのだが、ユタはもうシンプルなシャツにズボンにと出ていく準備万端のようだった。
それに対してわたしは、寝たことで若干乱れた浴衣を着ている。
慌ててさっと胸元を直す。
ユタはそんなこと気にもとめず、さっさと自分の荷物を整え始める。
わたしはユタにそっちを向いているように言って、彼の背後で服を着替えた。
「今日はどこに行くんだっけ」
「ここより星が綺麗なとこ」
「そうなんだけど、そうじゃなくて、」
わたしの問いにさらっと答えたユタに、わたしは言葉をつまらせた。
返答に困り果てていると、ユタは「わかってる」なんて言いながらくすくすと笑った。
ムッとしたけど、その楽しそうな笑みをつられて笑ってしまう。
荷物はそう広げていなかったし、なにより手持ちは少なかったから、すぐに整理整頓も終わった。
部屋に運ばれてきた簡単な朝ごはんを食べながら、ユタは広げた地図の一箇所を指差す。
緑色に囲まれた場所で、ここから随分遠いらしく、周囲には海が一切ない。
そもそもここがどこかよくわかっていないのだけど。
ユタはその場所をトントンと指しながら、ゆったりと笑った。
「この山にある、キャンプ場に行こう」
p.24
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