0day(1/6)
一番はじめの記憶は、天まで伸びた塔に近づくなという約束をしたことで、
キラキラと輝くいくつも並んだ光を眩しく思いながらも、わたしはその塔を興味深く眺めていた。
俗に言う記憶喪失のわたしに与えられたのは、
そばに咲いていた花からとった「マリー」という名前と、
これから一緒に暮らすユキという女の人と、
家と、食事や衣服などに不自由ない生活。
夏の暑さは、気づけば秋の涼しさに変わっていくのに、
わたしの生活ときたら、何一つ変わりなく過ぎていく。
流れるような日々の中で、惹かれるものがあるとすれば、
わたしは、
p.1
← →
➣栞
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
[
編集]
←