ラグナロクの翼 −あの蒼い空と海の彼方−
[Whose thing is a princess??](1/25)


雑貨と文具を両方置いている店でレティは品物を見て回る。

「リック様っ!こんなの可愛いです」

ピンクの便箋にアンティークな縁取り、花とうさぎがプリントされている。

「ああ、可愛いな」
「これはどうですか?」

今度はクリーム色に紫の蝶に黒い猫、花や草がついているもの。

「ふぅん……。レティアーナは花がついてるのが好きだねぇ?」

すぐ近くで声がしてレティは固まる。背後にアルが立って覗き込んでいる。

「ひゃあっ」

あまりにも顔が近く、固まる。リックがレティを引っ張り、自分の胸に抱き込んだ。

「もう少し離れろっ……」
「リック様ってさぁ、レティアーナに近づくとムキになるよねぇ。過保護じゃない?」
「当たり前だ。大事に守ってんだよ!」
「それじゃ、窮屈じゃん。レティアーナ、俺はもう少し緩いからさー、俺にしなよ」
「人の前で何堂々と誘惑してんだ!?ケンカ売ってんのか?コラっ」

レティは堪えかね、猫耳と尻尾を生やすようにして声を上げた。

「もーっ!ここはお店の中ですぅっ!お二人ともケンカはお止め下さいっ!」




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