ラグナロクの翼 −あの蒼い空と海の彼方−
[Whose thing is a princess??](1/25)
*
雑貨と文具を両方置いている店でレティは品物を見て回る。
「リック様っ!こんなの可愛いです」
ピンクの便箋にアンティークな縁取り、花とうさぎがプリントされている。
「ああ、可愛いな」
「これはどうですか?」
今度はクリーム色に紫の蝶に黒い猫、花や草がついているもの。
「ふぅん……。レティアーナは花がついてるのが好きだねぇ?」
すぐ近くで声がしてレティは固まる。背後にアルが立って覗き込んでいる。
「ひゃあっ」
あまりにも顔が近く、固まる。リックがレティを引っ張り、自分の胸に抱き込んだ。
「もう少し離れろっ……」
「リック様ってさぁ、レティアーナに近づくとムキになるよねぇ。過保護じゃない?」
「当たり前だ。大事に守ってんだよ!」
「それじゃ、窮屈じゃん。レティアーナ、俺はもう少し緩いからさー、俺にしなよ」
「人の前で何堂々と誘惑してんだ!?ケンカ売ってんのか?コラっ」
レティは堪えかね、猫耳と尻尾を生やすようにして声を上げた。
「もーっ!ここはお店の中ですぅっ!お二人ともケンカはお止め下さいっ!」
- 351 -
前n[*]|[#]次n
⇒しおり挿入
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
[編集]
[←戻る]