ラグナロクの翼 −あの蒼い空と海の彼方−
[焼け焦げる胸と芽生える感情](1/24)



疲れを癒すためにぐっすり寝入ってしまったせいで、再び目を覚ましたのが夜だった。
料理長が作り置きしてくれていたおにぎりを食べて喉を潤し、歯を磨いてまたベッドに入っても寝られないのは当たり前だった。

電気を点けて起きてて良いとリックから言われたけど、一人で起きているなんて嫌でベッドに入ったものの、目は冴えて寝返りを打つばかり。

「寝られないんだろう?」

後ろからレティを抱き締める形で横になっていたリックが囁いて、髪に唇を押し当てた感触がした。

「話すか?」
「はい……」

リックの眠りを邪魔してしまうのが申し訳なくて、でも一緒に時間を過ごしてほしくて甘えてしまった。

「何か聞きたいこと……あるか?」



- 261 -

前n[*][#]次n
/1219 n

⇒しおり挿入


⇒作品レビュー
⇒モバスペBook

[編集]

[←戻る]