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疲れを癒すためにぐっすり寝入ってしまったせいで、再び目を覚ましたのが夜だった。
料理長が作り置きしてくれていたおにぎりを食べて喉を潤し、歯を磨いてまたベッドに入っても寝られないのは当たり前だった。
電気を点けて起きてて良いとリックから言われたけど、一人で起きているなんて嫌でベッドに入ったものの、目は冴えて寝返りを打つばかり。
「寝られないんだろう?」
後ろからレティを抱き締める形で横になっていたリックが囁いて、髪に唇を押し当てた感触がした。
「話すか?」
「はい……」
リックの眠りを邪魔してしまうのが申し訳なくて、でも一緒に時間を過ごしてほしくて甘えてしまった。
「何か聞きたいこと……あるか?」