神田三兄弟の妹
[誕生日](1/27)






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あれからも蒼兄とは喧嘩もせず
順調に付き合っている。



むしろラブラブ。



あの焼肉に行った日、
蒼兄の家にお邪魔した私は
帰りに合鍵をもらった。



バレンタインには
手作りマカロンを渡した私に



蒼兄は314日、
前にくれたネックレスと同じブランドの
時計をくれた。



日本に一本しかないモデルで
とっても可愛いんだけど
ダイヤが光りすぎて
とても会社にはつけていけない。



だけどそんな大きなお返しに
蒼兄の愛を感じる。




1週間後の私の誕生日には、
一緒に神戸に行く約束もしていた。



プレゼントは何くれるんだろう。



そんなことを考えつつ
日々を過ごしている最近。




花粉症の蒼兄は
この季節は鼻水が出て
苦しんでるかもだけど。




私も今年で24歳。




はやいなぁ、20歳からの4年って。




来月には叔父さんと叔母さんも
家に帰ってくる予定だ。




「陽毬、1週間後誕生日だね。
何がほしい?なんでも言って」



稜兄は変わらず私を甘やかす。



「ひま、俺はどこでも連れてってあげる」



七兄も甘い。



クルーザーが欲しい!
パリに行きたい!
なんて他人からしたら冗談に聞こえる要望も
お兄ちゃん達は本当に叶えてしまうんだから
軽く発言できない。



ただ私にとってはそれが当たり前で。




変わらないこの環境に平和を感じるほどだ。




そう、平和だった。




この日の夜までは。




そういえばここ数日、蒼兄と連絡取れないな




なんて




たいして気にも止めていなかった私。




この時にはもう





狂い始めていたのに。






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