そしてまた、キスをする。
::モテる奴にはつきものです(1/17)
「かっこいいよねー」
「輝いてるよねえー」
「あの黒髪もさあ、ちょっと癖っ毛っぽくてなんか可愛いよね」
「さらさらの金髪…あれ地毛だっけ?だったらやばいよね!」
「ていうか眼鏡似合いすぎでしょ!」
「二重にあの右目下の泣き黒子!なんかセクシー!」
「背高いよねえ…モデルみたーい」
「今日暇かなあ…誘ってみよっ!」
「ね、由依はどっち派?」
「へっ?」
廊下を歩く女子たちの声に耳を傾けていた為、突然夏美に肩を叩かれ、間抜けな声が出てしまった。
「あ、ごめん…何が?」
「ちょっと聞いてなかったのー?」
夏美はムスッと口を尖らせる。
「ていうか夏美!由依はわざわざ聞かなくてもわかるでしょ!」
「そうだよー。だって由依、あいつの彼女なんだよ?だから──」
「「「碧派に決まってんじゃん!」」」
亜子とクラスの女子数人が一斉にハモったその声は、廊下に大きく響いて。
廊下にいる人たちの視線が一気にこちらへ向く。
「ちょ、ちょっと…みんな何言ってんの!やめてよもー…」
特に痛く突き刺さってくる女子の視線を気にしつつ、みんなに苦笑いを向ける。
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