青春パラダイス
[ラブホ初体験](1/5)
会報作りを終えて、最初の日曜日、本を買いに行こうと家を出ると、直美さんが出てくるのが見えた。

「直美さん」
と俺は声をかけた。

「嘉隆君」

「今から買い物」

「うん」

「時間早くない」

「うん」

「うんばっかだね」

「うん」

「ほらまた」

直美はクスっと笑った。

それがまた最高に可愛かったりして。

「ねえまた珈琲飲みに行こう」
「うん」

「うん以外言ってよ」

「ごめん、駅前着くまで少し離れて歩こう」

「その方がよさそうだね」

俺と直美さんは商店街に入るまで、無言でいた。
「子牛の館でいいよな」

「うんいいよまかせる」

並んで歩き店に入った。

マスターらしき人が一人でやってるみたいだった。

珍しい名前で、一度入ろうと思っていた。
俺と直美さんは、珈琲を頼む。
注文してから立てるちょっと見たことないやり方だった。
珈琲が出てくると、直美さんは砂糖を三杯いれた。

俺がいれずに飲もうとすると、
「えっ嘉隆君ブラック飲めるんだ」
とびっくりしたように言う。
「うん初めてだし、砂糖いれたら甘そうやん」

「そんなに甘くないよ、少し苦いから」

俺は一口飲んでみた。
「そんな苦くないよ」

「そうかな私砂糖なじゃ飲めないよ」

「平気みたい、所で旦那さん帰ってこないん」

「うん週末も帰らなくなって三年かな」

「じゃあれからはエッチしてないんだ」
「うんそうだよ」

「オナニーは」

「えっしてないよ」

「してないんだ、ねえラブホテルっていった事ある」

「うん行った事ないんだ」

「旦那と行ってないんだ」

「うん初めてはアパートだったから」

「そっか、俺もないんだ」

「なくて当然でしょ、高校一年生なんだから」

「確かに、ねえ行ってみない」

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