青春パラダイス
第一章[従兄妹で幼なじみ](1/6)
俺海北嘉隆と梨沙は、いとこでおない年のおさななじみ。ある日の朝から始まります
俺は、海北嘉隆(かいほうよしたか)。

高校一年の15歳。

入学式が終わり、約二ヶ月がすぎ、今日は六月一日。

俺は、今月15日に16歳の誕生日を迎える。

俺の家は、公団住宅だ。
二階建てが、五棟並んだ長屋みたいの住宅だ。

左から数えて四棟目だ。
五棟目には、幼なじみで、再従兄妹で従妹の梨沙が家族と住んでいた。

しかし入学式の一週間前に、梨沙の父親が、熊本に支店長として、栄転になった。

急な話で、編入手続き等が間に合わず、梨沙は俺の家に同居することになった。

再従兄妹で従妹と言うのは、わかりづらいと思うが、実はこういう事である。

親父同士が従兄弟で、お袋同士が姉妹だからである。

梨沙が同居するようになり、同じ部屋、同じベットで二人は寝起きしていた。

俺には四つ下で小6の弟隆一と八つ下で小2の妹恵美がいる。
隆一と恵美が、同じ部屋で寝起きしている。

今朝も何時も変わらない朝が始まった。

七時を回った頃、梨沙が先に起きて、パンティ一枚になり、着替えを始める。

俺はそれを見ながら、まだ布団に入っている。

梨沙の胸は小さくてベル状にツンと尖っている。
俺は声をかけた。

「見られて恥ずかしくないか」

「平気だよ、嘉隆なら、中一まで一緒にお風呂入ったし、あの時と変わってないもん」
とあっけらかんと答えて着替えてゆく。

やがて制服に着替え言った。

「嘉隆早くしないとまたぎりぎりだよ」
と部屋を出た。

俺はベットから起き上がり、着替えを始めた。

着替えて、顔を洗い頭をとかして、食卓に行く。
「おはよう」
と、母の麻美が声をかける。

妹の恵美は、口をもごもごさせ言うが、聞き取れない。

隆一は、ミニバスケの早朝練習でいない。

「嘉隆もう行くよ」
と梨沙が声をかける。
梨沙は、玄関に歩いてゆく。

俺は食パンを一斤とり、梨沙の後を追う。

その時親父が、新聞片手にトイレから出てくる。
入学以来変わらない朝の光景だ。

俺と梨沙は、少し早足で最寄り駅の井尻に歩いていく。

約十分たらずだ。

駅につくと、同じく従兄の京極和真と、小一以来の親友島津義光と、中二で転校してきて親友になった九鬼守政が、駅で待っている。

俺たちは、駅で市内とは逆に四つ目の下大利にある東洋中央高校に通っていた。

俺と梨沙が駅につき三分ほどで、電車がすべりこんでくる。

いつものパターンだ。
和真の父は、俺の親父と梨沙の父の同級生で、母親が、俺の母と梨沙の母の姉なので、従兄だ。

和真の母真希は二卵性の双子で、姉の亜季は東京に住んでいる。

和真は四月七日生まれで既に16歳になっている。
ちなみに梨沙は七月十五日生まれだ。

義光は、刑事の父と二人暮らし、母は小2の時に亡くなった。

義光の父は、仕事がら家をあける事が多く、同期の婦警さんが、家事などをしてくれていた。

しかし義光は、婦警さんになじまず、中一の時、当時18歳だった奈美さんが、お手伝いとくるようになり、年が近いせいか姉ちゃんと慕い、中三になった時、義理の母親になった。
守政は、逆に父親が早くに死んで、母親がトラックの運転手で生計を立てているらしい。

中二の時大阪から転校してきた。

電車は下大利駅についた。

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