果と髒列

序(1/23)








狭い路地裏で行われている人間の交尾に、目が釘付けになった。

レイプには見えない。但し恋人同士のそれとも見えない。「交尾」と表現するのが腑に落ちるそれは、私の存在を消すかのように続行された。


一糸纏わぬ女は、錆びた金網を必死に掴み、後ろから被さる男を受け入れ悦んでいる。

男の方はというと、下半身以外の着衣は乱さず、さも気怠そうに腰を打ちつけているのだった。
女と対面していないことをいい事に。否、対面していてもあんな表情をするのだろう、この男は。







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