cafe Cendrillon
[繋がる](1/12)
「でも、あのえ?あれ?……なんで?俺は振られる予定で。オーナー?俺の好きは、その、こ、恋とかそういう意味で。」

混乱したまましどろもどろに伝える。

「もちろんオレもだよ。真くんの事、好きだ。一目惚れに近かったんだ。あんな出会い方だったけど。初めて会った時から惹かれてるのを感じてた。話してみて良い子だなって。それで真くんの笑顔見てやられた。完全に好きになってた。けどこんな気持ち知られたら真くん困らせて、お店辞めるなんて言われたら会う事も出来なくなっちゃうし。だからバレないように隠していこうって決めて。だけど真くんの態度が変わって、気持ち、バレたのかな、とか。それで避けられてるのかとか考えて。でも仕事のことかもしれなかったし、どうしたのか知りたくて。でも言いたくなさそうで。やっぱりオレの気持ちのせいか、なんて。でも聞いてよかった。オレは言えなかったのに。言わせてごめん。あと、ありがとう。」

とまたギュッと抱き締められた。
本当に好きって思ってくれてるんだ。
やっと両想いなんだって思えて。
抱き締めてくれてた身体を抱き締め返す。
途端にびくりとされて手を離した。

「ご、ごめんなさい。」

と謝ると

「違うんだ!嬉しかったのと驚いたのと。……だってこんな風に抱き締められる日が来るなんて思ってなかったし。ましてや真くんに抱き締めてもらえるとか。なんか頭パンクしそうだよ。」

なんて苦笑するオーナーを見てまさかオーナーがそんな風に思ってたなんて。
なんか似合わなくて笑えてきた。


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