BLEACH
[Green](1/34)

side〜M〜


切れた携帯をテーブルに置いて、タバコに火をつけた。

《 あぁ、ならそのまま家いろよ。
今からアオイ連れてそっち行くから。》

電話の向こうから聞こえたアオの焦る声を思い出して苦笑い。

可哀想に。

アオの事だから最近俺がおかしい事に気づいてて、それをサツキくんに相談したんだろうな。

多分アオ的にはまさかこんな事になるなんて思って無かっただろう。

相談する相手を間違えてるよ。

こんな時ーーサツキくんに話したら実力行使に動くんだよ。

どうやらまだまだ俺の方がサツキくんの事を分かってるらしい。

テーブルの上には食べかけの焼きそば。

今日はシノブさんがお客さんの結婚式で休みで。

残って練習することも無かったからそのまま家に帰った。


アオに会いたいなーー。って思いながらスーパーに寄ったせいだろう。
夜ご飯は焼きそばになった。

初めて、アオがうちに来た日に作ったご飯。

タバコを咥えたまま立ち上がって、残ってた焼きそばを三角コーナーに捨てた。

元々ーー食欲なんて無かった。

サッとお皿を洗って取り込んだままだった洗濯物を片付けた。

サツキくんかーーうちに来たこと、あったっけ。

キッチンで多めのお湯を沸かしてたらインターホンが鳴った。

画面に映るのはサツキくんーーの後ろで気まずそうにしてるアオ。

「ーー開けます。」

カップを2個とグラスを1個棚から出した。

サツキくんは、珈琲は絶対にアイスで飲む人。

高校の時お使い頼まれて、冬だったからホット買ってった俺に「やり直し。」なんて王様発言してユキくんに笑われてた。


もう一度インターホンが鳴って、玄関に向かう。

「お疲れ様。」
『お邪魔しますーー。』

想像してた通り、アオはいつもよりちっちゃくなってる。

サツキくんはズカズカと部屋に入ってベッドに座った。

俺、部屋はちらかってるくせに意外とそういうとこ神経質なんだよね。

外歩いてきた服で布団に触れないで欲しいんだけど。

「アオイ、お前も座れ。」

ーー恐いんだけど。
アオと仲直りした後のサツキくんはもう先輩ってよりお義父さんみたい。

出来上がった珈琲を持ってテーブルに置いてーーサツキくんの隣には座りたくなくて向かい側に座った。

オレの左向かいにはアオ。

「アオイがさぁ、お前の家族の事聞きたくてしょうがないらしいんだよ。」

『ちょっーー私そんな言い方してない。』

笑っちゃう。
兄弟らしくなってきたじゃん。2人。

アオがそんな言い方しないって事くらい分かってる。

「俺が話すのもおかしいだろ。
てか俺だってよく分かってねぇんだよ。」

ーー。

どうしよっかな。

言いたくない。って言ったら帰ってくれたりはーーしないよね。

出来ればアオが居ないとこで話したいな。って思うけど多分サツキくんはそれをさせてくれない。




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