shape of light
[快調](2/6)




ツタヤの面接はあっさり通った。
深夜入れる男子大学生は需要があるらしい。

例の闇のグループのシオちゃんはかれこれ3件面接を落とされているらしい。
……シオちゃん自身に何か問題があるのかもしれないけど。

とにかく無事財源を確保できた。


「バイト採用おめー!」みたいなノリでスタ練からのカラオケ、サイゼ豪遊で無事破産した。
本末転倒感。
給料日までどうやって生きていこう。

とりあえずマヒルとの関係は給料入るまで休止だ。
付き合う前に破産で、ある意味良かった。


最後のひと握りの金をコンビニでコーラに変えて、俺の地元の公園で並んで座る。


「タイヨウってすげー考えてるイメージなのになーついに破産かー」
「何も考えてねえよ。ノリと勢い」
「確かに!ノリと勢いで1年間謎メンで履修登録しちゃうもんな」
「その話はヤメロ!」

俺以外でも、ソウゴが破産した。

卒業してからバイトを始めていたミツキと
一人暮らしで親からの仕送りされているワタルはまだ余裕があるらしい。


「ソウゴは絶対この先も破産を繰り返す」
「バカにしてる?」
「高校の頃からずっと破産してるよな」
「ほんとなんで金ってなくなるんだろ」
「金ないくせにジュース買ってるとこだよ」
「それ」


小遣い、まだもらえるかな。
マエガリできるかな。
……ダサいな。


ミツキが飲みかけのペットボトルを電灯に透かして揺らす。

「この前さぁ」
「おー」
「バイト先の子と寝たんだけどさ」
「おー……お?」

ワタルと顔を見合わせた。

「え……寝た……って?」
「セックス……?」
「そうセックスしたのね、バイト先の先輩と」
「あ……そう……。で?」
「なーんかすげー勘違いされてめんどくせーの」

再度ワタルと顔を見合わせた。

「は?」
「なーにがサバサバ系だよ、メンヘラがって感じでさー、最悪の場合バイト辞める」
「えっ待って付き合ってる?」
「付き合うわけないじゃん付き合ってたら彼女って言うし特定の女とか無理特にメンヘラとかキツすぎ」
「めっちゃ早口じゃん」

「これ系の話あと100回は聞くことになるから適当に流せばいいよ」

ソウゴがすごい真顔。


「ヤリ〇ンかよ」
「まぁそんなとこ」
「否定しろ」
「お前ら童貞?チェリボイバンド?」
「サイテー」

ゲラゲラ笑う。

「てか曲追加しようぜ、
今の曲もうみんないけるだろ」
「急に真面目か」
「ツタヤ店員おすすめの曲は?」
「まだ1回しか入ってねえー」


バンド結成からどんどん曲をやっている。
ライブをやったことがないからまだいろいろと未知数ではあるが、熱意はみんなあるから、とりあえず貪欲に演奏しまくる。

高校の頃よりずっとガツガツできている。

楽しい。




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