shape of light
[快調](1/6)




キラキラと光るピンヒール。

「タイヨウってめっちゃ足元見るよね」
「うん、靴オシャレなの好き」

女子に生まれてたら破産していただろう。


マヒルは今日も全身完全防備で、かなり良い。

「ストライクゾーンだっけ」
「そ、多分それでやってく」
「ライブいつ?」
「うちの大学のは6月かなぁ」


新入生歓迎会でタダ飯させてもらった。

ミツキもワタルも外部生だから最初は浮いていたが、すぐに馴染んで先輩達から可愛がられていた。

ミツキはやたらと女子とライン交換していた。
多分ソウゴよりもうちの女子の連絡先もっている。


「ライブ見に来る?」
「空いてたらね」
「来ないやつ」
「あはは」

ネイルが新しくなった。
シンプルだけど、金色のラメが映えている。


「テニサーはどうよ、活動」
「テキトーって感じ。バイトもあるし」
「バイトしてんの?その爪で?」
「ゆるいとこなの!カフェ」

カフェか。

カフェのバイトも良さそうだったけど
スタバの店員を見ていたら無理だなと。


「タイヨウはバイトしないの」
「今度面接する」
「何?」
「ツタヤ」
「ウケる!夜勤的な?」
「バンド練習したいしね」

マヒルが目を丸くする。

「なんかタイヨウって
適当そうに見えて真剣だよね」
「バンドだけね」
「バンド命!」
「まぁそんな感じ」


笑うと白い歯が見える。


「映画、何見る?」
「そうだな」

バイト早く採用してもらわないと
そろそろ一文無しになるな。

奢るのはポップコーンが限界だ。
カッコ悪い。


「ソウゴの方はバイトしてんの」
「あー、なんか引越しやるらしいよ」
「肉体労働!」
「時給良いらしい」

一緒にやるかと誘われたが
ツタヤは音楽が近いし、深夜ならこっちも時給いいし、と断った。


映画見て、オムライス食って、カフェ行って
まあまあ典型的なデートをした。

正直もうとっとと告白して付き合えば良くね。
なんて思うが
もう少し雰囲気作ってからでも良いか。

余裕こいてて大丈夫か、賭けだ。




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