shape of light
[始動](8/8)




「高校何部だった?」

「軽音」
「軽音」
「バンド部」

「うわー俺だけかよ」

ワタルはサッカー部だったらしい。

常に爽やかスマイルをしているから、何となくイメージ通り。
偏見だな。


「サッカー部のくせに野球上手いのな」

俺達も打ててはいるが、
ワタルの打率と飛ばし方はかなり良い。
こうやって冷静に見ていると、筋肉あるし。

かっこいい部類なのだろう。
女子とか好きそう。

「中学は野球だったし
高校でも帰り道みんなで行くだろ」
「行かねーよ」
「中学野球で高校サッカーか」
「フラフラだろ」

カーンと気持ちのいい金属音。

「次誰やる?」
「何回やらせる気?」

3周やって、既に手と腕が重い。

「じゃあソウゴ」
「は!?オレ!?やだ」
「ソーくんの、ちょっといいとこ、みてみたいっ」
「はいっパーリラパリラパーリラ」
「あーーーーもーーーーホームラン打つ」

「しょーもな」

ソウゴが早速空振りする。

ワタルの直後に見ると、フォームがめちゃくちゃなのがよくわかる。
だから何だというわけではないが。


「ジュースじゃ勝負になんねーよ!!!」

「?」

突然奇声が聞こえた。
見ると、99分、ヤンキーだろう高校生3人。
1人女の子がいる。
金髪。
きれいな金髪は嫌いじゃない。

「こんな靴で打てるかー!」

女の子がえぐいヒールのパンプスを脱ぎ捨ててバットを構える。
ぎゃあぎゃあと男2人が騒ぐ。

まぁ、五月蝿い。


「こえーなー」

ミツキが笑う。
絶対怖がってない。

「イキりたい時期なんだろ」
「わかるわー」


ソウゴと女の子が同時に空振って
微妙に面白い。

「今のボールだった!!
今のはコースが悪い!!」

「ガチガチのストライクゾーンだっつの!!」


はと
やんちゃ三人衆を見る。

「どうしたタイヨウ」
「ストライクゾーン」
「うん、で?」
「ストライクゾーンって、よくね?」

「なるほど」


微妙な金属音。

「ゴロかー」
「おーいソウゴー!」

まだ途中だが、ソウゴを呼び出す。
本人も疲れか飽きたか、普通に出てきた。

「何?交代?」
「ストライクゾーン」
「え?」
「バンド名!」




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