良い友人がいた。
親友ってほどではないが、気のいい奴だった。
いつも一緒にいたわけではないが、わりと意識はしていた。
そいつが苦しんでいるのが、俺だけには分かった。
救ってやりたかった。
だが、俺には奴の苦しみの原因がわからなかった。
俺はもがいた。だが、あいつは俺の何十倍ももがき苦しんだだろう。
いま、あいつは俺の隣にはいない。
戻ってこないことも知っていた。
だが、あいつはきっと、別な空の下で、きっと俺のことを考えてんだろう