決断と別れと後悔と、 1/26
“大切なものを大切にする”
それは、きっと誰もが当たり前だと思っていること。
俺なりに大切にしてきたつもりだった。傷つけているという自覚だって勿論あった。
君の泣き顔が好きで。
笑った顔も同じくらい好きだった。
別れを切り出されても、焦ったことなんてない。
いつだって彼女は別れを口にしても、結局は俺の元に留まってきたから。
俺のことが好きだから離れていく訳無い、と高を括っていた。
そして彼女を、彼女の心を踏みにじり続けた。
―――…罰が当たったんだ。
今更こんなふうに思っても遅いということは十分過ぎるほど分かっている。
もう彼女は戻って来ない。
あの優しい声で、俺の名を呼ぶ日はもう、来ない―――…。
悠一side...