……ねぇ。
[.](1/2)
「俺、彼女が出来た」
そう、言われた。
いつも君はその子と一緒にいて。
楽しそうに笑う君が羨ましくて。
嬉しそうに話す君が妬ましくて。
だから、ちょっといじわるじゃないけど、みんなに広めてやった。
クラスの子が君の周りに集まって、
あんなことやこんなことを聞いて、
その時は、本当にスッキリした。
「ざまーみろ。」って、思った。
でも、恥ずかしそうな顔を見て、
嫌そうに笑う、君の顔を見て、
「……しまった。」と思った。
後悔した。
げっそりした顔で来た君は、
僕を見た途端、言葉を放った。
「そんな奴だったんだ。」って。
そんなつもりなかった。
こんなにも悪くなるなんて、
こんなにも呆れられるなんて、
怖くて君の顔が見れなかった。
「……ごめん。」
捻り出した言葉をこぼしても、
君は、何も言わずに何処かへ。
…もう、何も言えなかった。
こんなの、お互い辛いだけ。
Fin.
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