i'm yours(1/5)
私を膝の上に置いてどうして居なくなったのかを語った住吉を見て、トモ君が私に言った言葉の意味をやっと知った。
確かに高校生のあの時の私は、私に見せている住吉がほぼだと思って、それ以上知ろうとしなかった。知ったとしても、あの時の私にこれほど重い荷物を持っている住吉を支えるなんてできなかった。
中学生の頃から今まで、たった一人で歩いてきて。
心を許していたトモ君とさえ、高校生の時に別れて、本当に一人ぼっち。
これだけ痩せてしまって、どれだけ大変だったか…。
「でもねー家とかは父が不動産関係に就いてたから用意してもらったんだ。
家賃とかは全部自分で払ったけど。通信制高校に行きながらでも、生きるって大変だね」
口先に似合わず涼しげな顔でへらりと笑った住吉を思いっきり抱き締めさせて欲しいと思った。
今までの住吉に、頑張ったね大変だったねこれからは一緒にいるから、と言いたい。
「ねえ、住吉」
「なあにー? とうこちゃんー」
「住吉を追い詰めた張本人は私だよ。ごめんね」