もう、抱き締められない。
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そんな日に

夢をみたの。


かずやが
私の目の前にいるの。

泣きながら飛び付いた。

かずやぁ…
かずやぁ…

ってひたすら抱きついて言った。

そしたらかずやは
そっと抱き締めてくれるの。

なあ、由紀
ごめんな
寂しい思いさせて。

俺…謝っても謝りきれねえわ

でも、俺がいないこと
受け止めてくれ。

今日で最後なんだ。



って泣きながら言うの。


かずや、
今までたくさんの思い出ありがとう。たくさんの幸せありがとう。

でも…いかないで…
おいていかないで…


って精一杯言ったの。

そしたら

俺は、離れない。
お前を見守るから。
見えなくても、
そばにいるからな

ごめんな…

って言うの。

もう、うなずくしか
なかった。


いつのまにか
暖かいかずやのぬくもりは
なくなっていたんだ。


そしたら
目が覚めた。



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