月と空
[決意。](1/43)
楽しかったはずのウィンター祭。
行かなければ良かったと後悔をした。
そして今。
玄関の前に立ち尽くす私。
あれからどんな顔をして帰ってくればいいのか、わからなかった。
でも、
埒が明かない。
鍵を開けて中に入ってみる。
ガチャ。
静かな部屋。
玄関をみると
靴がなかった。
良かった。
帰ってないのか。
いないのはわかっているけれど、
静かに自分の部屋に入った。
「どーしよ。」
誰もいないのに、
口から独り言がもれる。
いない間に家を出るしかないかな…
うん。
思い立ったら即行動。
私は元々少ない自分の荷物をまとめた。
「我ながらびっくりするぐらいの少ない荷物だな。」
それはそうだ。
必要最低限なモノしか持ってきていなかったから。
よし。
置き手紙とか古風すぎる?
でも、
お世話になった身だし。
何も言わずに出るのもね。
別居する夫婦じゃあるまいし。
私はリビングのテーブルに手紙を置き。
手荷物を持って、
月の家を出た。
- 322 -
前n[*]|[#]次n
⇒しおり挿入
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
[編集]
[←戻る]