inメルヘン
白雪姫(1/13)
「なんなの、この小汚い娘は!!どこで拾ってきたの!今すぐ返してきなさい!」
「うるせぇなクソババア。てめぇには、関係ねーだろ。」
「どうしてそんな口をきくの?!わたしは、貴方の母親なの!心配して当然よ!」
「ニセモノの癖に、母親ぶってんじゃねぇよ。うぜーんだよ。」
次の世界では、色白の少年に助けられた。
雪のように白く、綺麗な肌。
黒檀のように黒く、艶やかな髪。
血のように赤く、透き通った瞳。
可愛らしく、かつ綺麗な少年だった。
そんな少年は、白雪王子と言うらしい。
また王子か…。と思いながらも『王子様』という単語に一括りにはできない。
なぜなら、ミダス王子達とは違い…性格がとてつもなく荒ぶれている。
反抗期の子供そのもので、その対象はどうやらこのお義母様みたいだ。
実の母は病死、この人は継母らしい。妖異的な美しさを持つ、美魔女的女性だった。
「あ、あの、突然のお邪魔で申し訳ございません…お妃様…。」
「雪ちゃんをたぶらかして、どうするつもりなの?!ああ嫌だわ汚らしい!」
雪ちゃん、とは白雪王子の事みたいだ。
典型的な態度は、ふたりの関係をよく表していた。
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