空白(1/2)
真っ白な世界にいた。
目の前には、私と同じ容姿の…神がいた。
彼は、自分の正体がバレたのにも関わらず、動揺する事なくにこりと笑う。
彼女は、私に近づき、くすりと笑う。
「驚いた?」
「どういう、ことなの…?」
「ボクは、君なのさ。そして、君はボクなんだよ。わかるかい?」
「全然…分かんない…」
「世界が君を欲する理由は、君が神だからであって、神ではないからでもある。」
「哲学すぎて、ついていけないわ…。」
「そもそも、世界を変えたいと望んだのは、ボクであって、君なんだよ。」
「…え?」
「物語がボクらを必要としているなら、君は元の世界に帰れないし、君は物語を選べない。
物語が、ボクらを選ぶのだから。」
「本当に混乱してるの。やっぱり、何を言ってるか分からないわ。
もっと分かりやすく、説明を…」
「残念だけど、もう次の世界に呼ばれてるみたい。さあ、世界を救おう!」
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