inメルヘン
赤ずきんちゃん(1/11)
私は、知らない森にいた。
なんだかデジャヴだが、やっぱり知らない森だと思う。
何かあればと思い歩き進めると…
途中で猟師を名乗る男に出会った。
綺麗な青年だった。
「この辺りは人喰い狼がよく出ます。危ないので一緒についてきてください。」
狼か…。
ふと、狼少年の事を思い出した。
もう、忘れなきゃ。彼は居ないのだから。
「猟師さんは、何を狩ってるの?」
「近くの村からの依頼で、女の子を探しているのです。
森の奥のおばあさんの家に出向き…もう3日も帰らないそうです。」
「もしかして…狼に…?」
「そうかもしれませんね…。」
しばらく歩くと、小さな家が見えてきた。
きっとあれが、森のおばあさん家。
猟師はその扉に手をかける。
鍵は開いていた。
そして、そこで見た光景は…
「んんッんふぅっ、んぅ!」
拘束され、口に布を詰められ、男に犯される女の子の姿だった。
目隠しの布の下には、乾いた涙の跡もある。
「やあ、兄さん。おかえり。」
「…激しくしすぎるなと言ったはずですが?壊れてしまいます。」
「もう手遅れだろ。あ、新しい女の子?かーわいー!」
猟師の男達は、どうやら兄弟のようだ。
訳が分からなくて、後退りした。
しかし、兄猟師に腕を引っ張られ、女の子と弟猟師の前に立たされる。
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