裸の王様(1/7)
目がさめると、私は牢屋のような場所に閉じ込められていて…
「…えっ、な、なにこれ…!」
身ぐるみをすべて剥がされていた。
私だけではない、牢屋の前にいる見張りの男も…裸だった。
もちろん、下着すらない。防具として胸当や兜などを身につけるだけ。
「目が覚めたか。」
そう、牢屋の外から声をかけて来た見張りの男は、私の腕に縄を巻きつけ、牢屋から引きずり出した。
「痛っ……やめて…!どこへ連れて行くつもりなの?!」
「王より、貴様が目が覚めたら連れてくるよう言われている。」
「嫌!こんな格好で、人前に出れない!」
有無を言わせてくれないその見張りの男は、グイグイと縄を引き…私を連れて歩く。
そうして、私が目にした光景は…
防具やアクセサリー以外の身包みを、つけていない…裸の人々と…
裸の王様だった。
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