サンクション
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[ケース8 ジキルとハイド](1/17)
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雅樹「…利樹さんは三橋さんのことすごく理解しているんだね」
どこか羨ましそうに雅樹が言う。
瑠璃子「あの人はすごい人だよ。赤の他人なのに私を何度も守ろうとして親代わりを買って出てくれて何度も私を支えてくれたんだ」
やっと雅樹が椅子に腰かけた。
雅樹「…その利樹さんについて詳しく話してくれる?」
おいおい厳重注意と謝罪の話はどこいったと思ったが、どこかで軌道修正される可能性を考慮して瑠璃子はとりあえず置いておいて今聞かれたことを返す。
瑠璃子「…どの部分を知りたいの?」
雅樹「ケンカとかしないの?」
瑠璃子「するけど、長続きしないから自然と終わってる」
雅樹「…独身なんだっけ?」
瑠璃子「一応バツイチだよ。以前嫁さんに浮気されていろいろあってトラウマ負ったせいで今も結婚はしたくないみたい」
そういや利樹さんは自身のアノミーはどうしたんだろうか。
この状態で今更思いついた。
利樹さんが雅樹さんであるならアノミーの人格が存在しているいわゆる発症者なわけであり、必ずアノミーの人格がいるはず。
そういやサトルと利樹さんがやりあった時に「もういない」と言っていたな…
タイムトラベルした矢先なんらかの理由で消滅したのだろうか。
あるいは抑制している故なのか。
これは本人にしか知らない話で推測立てるのも不毛。
そもそも雅樹さん自身が利樹さんが20年後の自身だと知ってしまったらどうなるのだろうか。
雅樹さんは気づいているだろうか…
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