サンクション
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[ケース4 代償とツケ](1/16)
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この前怪我したというのに何故か回復が早い。
そういや昔から傷の回復が早い方だった。
最初に噛まれた首の傷も跡すら残ってない。
あの傷けっこう深かったと思うんだけどな…
朝、そんな事を考えながら大学に行って授業を受けていた。
授業を終えて喫煙所で一服していたら、滅多に喫煙所に来ない栞菜が血相変えて入ってきた。
様子を見るところかなり慌てている。
栞菜「瑠璃ちゃん、あのね先代のリーダーの人が…」
吸わない栞菜に考慮して瑠璃子はタバコの火を消した。
瑠璃子「雅樹さんがまた何か文句言いに来たの?」
栞菜「違うの…雅樹さんが発症したみたいで…!」
瑠璃子「発狂した?」
栞菜「とりあえず来て!」
栞菜が瑠璃子の腕を引っ張って走り出す。
栞菜「雅樹さんがアノミー症状持ってたみたいで今大変なことになってて…」
瑠璃子「何?!あいつアノミーだったの?!」
そんなバカな、と瑠璃子も驚愕した。
栞菜「今みんなが止めに行ってて、去年の先輩方も止めに呼んでる」
瑠璃子「何型か分かる?」
栞菜「そこまでは…」
栞菜に連れられて2人は大学の敷地を出た。
どうやらケンの計らいで雅樹があまりに危険なためこの時間人がいない大学が所有している少し離れた土地、いわゆる第2グラウンドに誘導したという。
2人が飛んで来た時には、赤い眼をした雅樹とケンが取っ組み合っていて先代の全員は地面に倒れていた。
瑠璃子「どうなってんのこれ?!」
条「ちょっとまずいぞこれ」
マイペースな条ですら焦りの表情をしている。
しのすけ「ケンの前に先代が止めに総がかりしたんだけどよ、もう1発でやられてんぞ」
瑠璃子「何がどういう経緯でこうなったの?雅樹さん前からアノミーだったの?」
しのすけ「経緯は知らんが、先代が言うには今日初めて発症したらしい」
瑠璃子「アノミーは思春期か青年期で発症するからその歳じゃ珍しいことではないんだが…」
言ってる間にケンが首を掴まれて薙ぎ倒された。
瑠璃子「ケン!」
駆け寄ろうとした瑠璃子をしのすけが止めた。
しのすけ「大将はまだ動くな!次鋒頼んだぞ条!」
しのすけの合図と共に条が駆け出した。
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***栞
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