ワン★ダフルライフU-真実の扉-

第3話学園アイドルの事情(11/11)




望「いいんですか?あんなこと言っちゃって…」

奈美「いいの。私はファンのためにいるんじゃない。そう言いたかったの」

望「はあ…」

望は拍子抜けな返答をする。
望自身それは何かが違う気がした。

奈美「私ね、いつも音楽室にいるとき、不機嫌なの」

望「なんでですか?みんな奈美先輩のために来てるのに…」

奈美「みんな私がピアノ弾いてるときに私の実力じゃなくて私ばかりに目線がいっているの…」

望「…」

なんと贅沢な悩みだろう。
だが、アイドルはアイドルなりの苦悩があるのだろう。

奈美「それだったら何もしなくていいんじゃないかって言ったらファンの子は『ピアノを弾いてる久遠さんが綺麗』だって。私を誉めてくれるのはうれしいよ。だけど…私の実力の意味は?って思って。私は家で練習した方が落ち着くの。なのにファンの子に言われて、言いなりになってた…」

望「違いますよ」

奈美「えっ?」

望「きっとファンの人たちは奈美先輩を言いなりにする人たちじゃなくて、奈美先輩のためだけにいたんですよ」

決してギャラリーは奈美にピアノを弾けと押し付けていたわけではない。

奈美「…」

望「きっと弾いてる奈美先輩が綺麗って言ったのもピアノの音楽で奈美先輩のいい所を引き立ててたからではないでしょうか」

奈美のピアノをギャラリーは期待していた。
それは、他の誰でもない奈美のピアノを聞きにきていたのだ。

奈美「望くん…」

望「前に言ったように奈美先輩は好きなようにすればいいんです。やりたいこと、やりたくないことをファンの人たちに流されずに決めればいいんです」

奈美「の、望くん…」

奈美は自分がある答えにたどりついたことに気付く。
自分のことをここまで考えてくれた人はいない。
自分が他人を慰めたことがあっても、他人にこれほど慰められたことはない。

奈美は腕を強引に引っ張る。

望「え?」

チュ、と頬にわずかな温もりを感じる

奈美は頬にキスをしていた。

望「…あああわわわわわわああああわあわわわわわわわ!?!?」

奈美「ありがとっ!」


そう言って奈美は走っていった。

望はキスをされた左頬を左手で触っていた。


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