6月が君を連れてくる

05@[これが本当のさよなら。](1/18)


しばらくは平穏な日々が続いた。


晃ちゃんには会っていないし、飲みに行く相手は基本的に千加ぐらいだし。


季節なんて、働き出したらあっという間に移り変わっていく。




「最近どうなの? 矢部は」


千加はすっかり彼を矢部呼ばわり。一応5歳も歳上ということは何度か伝えてはいるけれど。



「なんもないよ。最近あんまり会ってない」


「あーあ。逃げられた。いい男だったのに」



生ビールを飲む千加につられ、あたしもジョッキを軽く握った。


正直なところ、逃げられたのならそれはそれでありがたかった。


だってあたしはまだまだ彼の気持ちには応えられそうもないから。晃ちゃんのことがいつまでも決着つきそうになくて。


それに、決着がついたところで、『ひゃっほー矢部さん大好きー』なんて。あまりにも無理のある話でしょう。


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