02@[君を幸せにするために](1/22)
昨夜はほとんど眠れなかった。運命のいたずらがあたしの胸を締めつけ続けていた。
幸か不幸か、今日は休日。眠たくなったら昼寝すればいいという安心感と、こんなときにひとりでいたくないという孤独感。
雨の降っている音がする。梅雨が明けるのが待ち遠しい時期。今日は夜まで雨の予報だ。
動き出せずにグダグダしていたら、あっという間に午前中が終わってしまった。
昼食を軽くとると眠気が襲ってきた。ウトウトしながらスマホをいじっていたとき、新着LINEが届いたとの知らせが。
LINEアプリを開いた途端に眠気が一気に吹っ飛んだ。相手が晃ちゃんだったから。
お互いにブロックはしていなかった。けれども昔のトークは丸ごと消してしまったから、“斎藤晃介”とやり取りするのはもはや初めてのようなものだ。
またこの名前をここで見ることになるなんて、誰が想像できただろうか。
今にも震え出しそうな指でトークを開く。
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