蒼い月の下、君と出逢う
[君がいない](1/8)
何度かコールが鳴った後
桐生さんの声が聞こえてきた
「はい。」
『桐生!雅が!雅が』
「どうしました?」
『雅が…』
「落ち着いてください。どうしました?」
『今日、雅と水族館来たんだ。電車で!キップが無くなって、でも雅のは無くならなくて、俺が拗ねてて、水族館来て、でかい魚見てたら、雅が居なくなった…』

「………つまり、水族館に来て、気が付いたら、雅さんが、居なくなっていた…と」
『そう言ってる!』
不安になり、10円玉を追加する、煌李

「御手洗いとかは」
『結構待ったけど、出て来ない』
「受付の方に訊いたりは」
『今シフト入ったばかりなので』って言われた

「…とりあえず、何処の水族館ですか」
『電車に乗って少し歩いた』
「……ではどの様な外観ですか」
『ガイカンって何だ』
「…建物の見た目です」
『白い四角い』
「ああ…判りました。直ぐ行きます。私が付く前に、見付かれば良いですね」
『………うん……』
[俺が拗ねてるから…雅嫌になって…俺を捨てたんじゃないよな…]

不安が押し寄せてくる。
[キップくらいで拗ねるんじゃなかった…]

近くにあった、ソファーに座る。
『…雅……』
呟いてみるけれど、勿論返事は無かった。

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