相楽さんの言う通り!
[不器用な人](16/16)
「あ、あの状況下であんなことされたら、混乱しますよ!」
「漫画に使えそうでしょ。どうぞ」
クスッと笑って伸びをした相楽さんはパソコンを閉じた。
……ああそうか。
期待したけど、これ創作漫画描くためにやってくれてるのか。
いつも自惚れそうになる寸前に、彼と私が違うことを思い出す。
…ならこの展開を利用するしかない。
卑怯だとか、みっともないとか
今はそんなことはいい。
キスして、触れてもらってる間は幸せだもん。
「……相楽さん」
「んー?」
「一回じゃ足りない。」
真面目な顔してそう言えば驚いた顔して、彼は私をジッと見つめた。
「…もっとしてほしい……です。」
羞恥と期待で自分でもなにを言っているのかわからなくなる。
「……いいものを描くために…」
そうこれは絵に色気をだすためのもの。
貴方がそう言うなら私はそのつもりでやる。
もう十分過ぎるくらいしてもらっているのはわかっているんだけど、相楽さんがあくまでその為だと言い張るんだもん。ならそう納得させるしかない。
「……いいよ。」
ソッと呟かれて誰もいないスタッフルームで唇が重なった。
やっぱり相楽さんとのキスは甘くて、苦しくて、気持ちいい。
おまけに私は感情がバッチリついているから二倍美味しい。もうそう考えるしかない。
「…っ…んっ…」
「ダメだよ。美華ちゃん。逃げないで」
舌が絡めばどうしていいかわからなくて、少し体を引いた。しかしそれを咎めるように相楽さんは、グイッと私の頭を押さえつける。
「……ほら…ちゃんと舌…絡めて」
甘く囁かれば頭がおかしくなりそうなくらいドキドキした。
好き…
好きなのに。
私はそれを伝える術を知らない。
ましてやこの不思議な関係が壊れてしまうのを恐れてる。
後に残るのは、喪失感と虚しさだとわかっているのに、何度もこのキスに溺れる私は本物のバカだ。
腐女子やってる方が絶対マシ。
「んっ…んん」
……私が絵を描けなくなってるなんてこの人は知らないだろう
相楽さんのことばかり考えてしまい、あの漫画が完成してしまえばこの関係が終わることをわかっているから進まない。
こんなに私を振り回す人が不器用だなんて…信じてやらないんだから
不器用な人
本当の貴方はどれなの?
to be continued
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