相楽さんの言う通り!
[天使と悪魔](19/19)
「…あ…聞いてます…」
「…どうする?」
「え…」
相楽さんの質問に私は首を傾げた。
「…別に慣れてるし、美華ちゃんがいいならこのまま続けるけど。あんまりオススメはしないかな。」
それは甘い誘惑。
いつか好きな人と…そう思っていたこの先の行為。
この歳まで2次元やらBLやらばかりで、周りに置いていかれることに不安がないわけじゃない。
…相楽さんのこと好きだけど…
だけど…
「……他の人と一緒は…やだ……」
まるで駄々をこねる子供みたいに思ったことが口から出た。
「……え?」
「…あ、違う…いや、あの…」
「……なに?」
不思議そうな顔を私を見つめる相楽さん。
やばい…なにが言いたいのかわからなくなってきた。
「…正直キスは気持ちいいし、この先のことも勉強したらまた創作が素晴らしいものになると思うんです。……だけど、それはやっぱり違うというか……」
「…まぁ利口だね。流されてするようなものではないよ。……だから今日は帰ったほうがいいってことを伝えたかったんだけど。」
なにを言っていいかわからない私に彼は意地悪く笑う。
「……これだけキスの相性がいいから、絶対この先も良いに決まってるから試したくなるでしょ?」
耳元で囁かれてかぁあああと顔が赤くなった。
「……か、帰ります。」
つい視線が彼の家のベッドに移ってしまって、色々考えてしまったじゃないか。
うう…最悪。恥ずかしい。
「…足はいいの?送っていこうか?」
「だ、大丈夫です!!まだ電車もバスもあるし!!」
「そう…?なら駅まで行くよ。」
”他の人と一緒はやだ”
自分が先ほど言った言葉に今更ながら悶々とする。
なんであんなこと言っちゃったの。
こんなの一緒じゃなければいいってなもんだよ。
ただ…同じように他の人に声をかけて、同じようなことしてるんだと考えたら胸が張り裂けそうだった。
私じゃなくてもいいんだ。
もし私じゃなかったとしてもこの人は同じことしてる。
ズキズキと転んだ傷より痛む心。
「……なにしてるの。行くよ。美華ちゃん」
いまはただ面白いおもちゃを見つけたと、からかわれて遊ばれてるだけ。
それなのに…悪魔が見せる天使のような優しさに私は”もっと彼が欲しい”と欲が出る。
……気持ちをもらえるわけがないとわかっていても。
悪魔と天使
いっそ、ずっと悪魔でいて欲しかった。
to be continued
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