絶望の部屋

[夢](1/13)
『ようこそ絶望の部屋へ






また同じ夢を見た。




その夢は僕が体験したある事件以来見るようになった奇妙な夢。




僕にあの事件を忘れさせない為出てくるのか?それともただの考えすぎなのか



それは僕にはわからなかった。





夢って昔は好きだった。



眠れば現実を忘れられて違う世界に来たような気分になれる。



だけどその『夢』も今では僕に現実をつきつけてくる。



3にもなって友達はほとんどいないし、もちろんのことだけど彼女もできたことがない。勉強もそんなに得意でもなくおまけに容姿も並の並でいいところがほとんど見当たらないのが現状だ





そして家族はある事件で亡くして今は1人暮しをしていて祖父母の仕送りだけで生活をしていた。



そんな僕の1日の始まりは、あの夢から始まり、なぜだかわからないが行きもしない学校に行く時間に布団から出て太陽の光に照らされないようにしながらあの夢の『絶望の部屋』について調べることだった。



なにしろ絶望の部屋と呼ばれるその奇怪かつ奇妙で何のセンスも感じない名前のその場所は僕みたいなクズが絶望から脱出して希望を掴める夢のようなところらしい



「はぁ??????
行けるものなら行ってみたいよな絶望の部屋によ。」




と言いながら、大きなため息まじりに冗談半分で1人でクスッと笑いながら小さな声で囁くように呟いた僕の言葉に反応したかの如くパソコンの画面は突如真っ暗だった場面に光りを帯び文字を浮かべる。


ピカッ


『絶望の部屋に参加しますか?』



えっ
正直背すじが凍りつきその場に一度立ち止まりまじまじとパソコンの画面を見つめた。




それを現実だと理解したのはその5秒後
我に返った僕はふと思い出す。
これは怪奇現象の番組でよくあるやつでこういうのはかなりやばいやつだったはず



特別ホラーが物凄く苦手だ!というわけではないが、急に場面が動いたりだとか、脅かされるとわかっているお化け屋敷みたいなものはなぜ好んで人が寄り付くのかわからないほど昔から大嫌いだった。




だめだここに居ては。
本能が逃げろと指示する。





僕は無言で黙々と学校に行く準備を済ませ、パソコンの画面に浮かび上がった赤く不気味な文字に恐怖し、恐る恐るもパソコンを勢いよく閉じてこの空間からいち早く逃げよう!!そう思いながら久しぶりの学校に行くハメになってしまったのだった















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