佐藤さんと吉野くん。
[優紀奈とゆみな](1/3)

『お似合いだよ〜!ゆみな!
優紀奈くんってカワイイ系じゃん?
ゆみなもカワイイ系だし!!!』


容姿がいいだけで皆おだててくれる。
何よりも楽だった……


けど、 優紀奈はいつも私に
『かわいい』 とは言わなくて、
まさに無知って顔をしてて、もどかし
くて仕方なかった。



「帰ろっ、ゆみな」


「うん、今日の授業も疲れたね〜」



優紀奈が悪いわけじゃない。
ただ、私がすこしひねくれてて……
何をするにも自分が最優先なだけ。



「ゆみな、大丈夫??」


「うん、全然ヘーキだよっ」


「そっか」


「そういえば、隣のクラスの前原さん
優紀奈に告白したって本当?」


「うん、まあ……


「浮気しないでよ〜?」


「しないよ、前原さんにもちゃんと
ごめんって断ったからさ」


「だといいけどさ」



優紀奈は優しくて、紳士的。
私が告白した時も返事はスマートで

『僕でよければ』 って。

そう言って微笑んでくれた。


付き合っていくうちに次第に自分が
優紀奈に依存していくのも分からずに






気づいたら5年も経ってた。


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