俺のこと好きになれよ。
☆微笑まない女神(7/7)
「なぁ。村田って可愛いか?」
部活が終わった帰り道。
唐突に瑛太に聞いてみる。
突然の質問にビックリしたのか自転車のブレーキを思い切りかける瑛太。
キキーッという耳障りな音が響く。
「え、そんなびっくりすること?」
そんな瑛太の反応に俺は少し引く。
「いや…まさか逸希の口から村田の話が出ると思わないし。」
まあ確かに今まで村田の話は出したことがない。
それくらい俺にとっても興味のない存在だったから。
「まあ可愛いと思うよ…頼りがいもあるし。」
俺の顔色を伺うように話す瑛太。
「ふーん。なぁ、俺あいつに何かしたっけ?大嫌いって言われたんだけど。」
そう言うと訳のわからない顔をする瑛太。
俺の説明が足りなさすぎるか。
今日あった出来事を話すと瑛太はあーと唸る。
「まあそりゃ好きでもない人に俺のこと好きなの?って上から目線で言われたら嫌なんじゃない?」
まあごもっともな意見だと思う。
けどあいつはそれだけじゃない。
もっとずっと前から俺を毛嫌いしてる気がする。
「あいつ…俺だけなんだよ。俺にだけ笑わないの。」
思い返してみてもやっぱり見つからない。
あいつが俺に笑いかけたこと。
俺以外の部員には笑ってみせるのに。
「なに?逆にそれで気になり始めたの?」
ニヤリと笑う瑛太。
そんな瑛太の表情に俺はため息をつく。
「別にそういうのじゃない。ムカつくんだよ。今まで女子にチヤホヤされてきた俺が嫌がられてるのが!イケメンでエースで秀才の俺を嫌いとか俺のプライドが許さないの。」
思わず本音がポロリと出る。
まあこれも幼馴染みの瑛太だから言えることだけど。
「うわー引くわー。もうそんなプライド捨てれば?100人中全員に好かれるなんて結構難しいことだよ。」
確かにプライドの高さは異常だと思う。
けどそのプライドが今の俺を育てているとも思うし。
「そう簡単には無理だなー。女には百発百中の俺がなぜ近い存在の村田に嫌われてるのかが謎なんだよ。」
そう言うと瑛太は呆れて物も言えない様子。
俺が村田に何かしたのなら嫌われる理由もわかる。
けどそんな覚えがないからわからないしムカつくんだ。
こうして村田沙耶は負けず嫌いでプライドの高い俺に火をつけた。
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