[お留守番](1/22)
晴明と蒼月が出仕し、白虎と根裂もいなく、夜嗣もいない。
そんな安倍邸に残っていたのは黄龍と瑠衣だけだった。
【…………………】
なーんで俺様がこんなところに残ってなきゃいけないのかねぇ?
──私たちが留守の間頼むぞ
出仕する前の晴明の声が耳に蘇る。
頼むぞ、じゃねぇよ!!
十二神将の誰かに頼めよ!!!
赤龍たちもいない安倍邸で瑠衣と二人だけとはなんとも言い難い。
「ねぇ、黄龍」
【……………】
聞こえない聞こえない。
俺様の耳には何も聞こえてこない。
「黄龍ってば!」
何も聞こえない。
俺様の周りは実に静かだ。
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